神なる主は、シナイ山にてイスラエルの民に十戒を直接語られました。それは、十戒がイスラエルの民にとって、神とキリストを信じる人々にとって、ひいては造られたすべての人にとって、特別に重要な法であることを知らせるためでした。
主は、イスラエルの民をエジプトでの奴隷状態から救い出し、シナイ山まで導いて来られました。民は、3ヶ月に及ぶ旅の道中、主の守りと導きを何度も経験してきました。彼らは、奴隷状態から救い出されたので、他の民に対して主と救いを証しする民でありえたのです。
十戒は、その内容によって大きく２つに分けることができます。
Ⅰ.主との関係に関して(20.3-11)。1戒。主のみが、あなたの神です。ほかのものを、あなたの神としてはなりません。2戒。あなたは、偶像を造って拝み仕えてはなりません。あなたの神なる主は、あなたをねたむほど愛しておられます。3戒。あなたは、主の名を使って悪を行ってはなりません。4戒。主が「世界の創造」を完成し、休まれた日を記念して聖なる日とされたので、あなたは安息日を守らなければなりません。その日は自分の仕事を休み、聖なる会合を持ちます。主との交わり、主を信じる人々との交わりに用います。
Ⅱ.人との関係について(20.12-17)。5戒。あなたは、命の源なる神を敬うと共に、あなたの父母を敬わなければなりません。6戒。あなたは、神がご自身の形としてご自身の似姿に造られた人を殺してはなりません。7戒。あなたは、結婚外性交渉をもって結婚関係を破壊してはなりません。8戒。あなたは、他人のものを取ってはなりません。9戒。あなたは、人に対して偽ったり、嘘をついたりしてはいけません。10戒。あなたは、人の所有のものを欲しがってはなりません。
私たちキリスト者も、価値観が揺らぎ、すべてが相対化する混沌の社会に生きています。その中でも、揺れ動くことのない、変わることのない十戒をはじめとする神の律法を持っていることは、感謝なことです。神は、御子によって律法を満たし、御霊によって律法を実践する道を備えてくださいました。私たちは、神を恐れて律法を守るのではなく、神を愛して律法を守りましょう。キリストが律法を満たしてくださった恵みを深く覚えましょう。そしてキリストの御霊に頼り従って、律法を行い、いのちと幸いと祝福をいただき
ましょう。