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「年老いても神の義と救いを伝えましょう」詩篇71:15~21

 

 人は、老年になると、体力と気力が落ち、弱さや欠けを実感し、自分の思うようにできなくなります。しかし、創造主なる神を信じ、神をほめたたえていく人は、年を重ねれば重ねるほど、感謝と喜びと希望に溢れるようになります。多くの経験を経て、神が義と愛に満ちた方であると知っているからです。

 詩篇作者は、神に信頼し従い義を行っていく中で受ける悩み・苦しみから幾度となく救い出されたので、いつも神に感謝と賛美を献げ、出会う人たちに、神の義と救いを伝えていきました。彼は、神の義と救いを心に留めて、絶えず神の前に出ています。自分が生まれた時から神の愛と守りを受け、若い時から神のみことばに教えられ、今も神の愛と恵みをいただいていることを感謝しています。神のなされた不思議なみわざを賛美し、人々に告げ知らせています。

 人は、時には年老いた人を見捨てることがあります。家族が、社会が、教会さえも見捨てる危険性を抱えています。しかし、神は、ご自分に信頼し従う者を見捨てることはなさいません。高齢者は、自分の人生にいつも神ご自身が介在して最善の道を備えてくださることを体験してきました。生かされている日々を感謝し、神の大能の力・愛・恵みを子孫の世代に語り継ぐことができます。

 私たちは、世界や社会に起こる苦難や災いを見聞きしたり、家庭や自分に苦しいことや悪いことが起こると、神を疑ってしまうことがあります。しかし、作者は、神はどこまでいっても、愛に満ちた義しい神であり、救い主であることを信じ続けていきました。

 作者は、苦難の向こうに用意されている神の義と救いを信仰によって見据えていました。神が自分を瀕死の状態から生き返らせ、どん底の状態から高みへと引き上げられると信じて神を褒め称えています。

 作者は、苦難や災いに遭っても、神が正しいことを行い救い出してくださることを経験してきました。彼は、神の義と救いを喜ぶ以上に、神に対する信頼と従順が培われて、神との絆が強められ、神との交わりが深められていくことを喜びました。

 御子イエス・キリストは、父なる神の与えてくださる喜びを待ち望みつつ、十字架の苦しみと辱めを耐え、死んでよみがえり、天に引き上げられ、神の御座の右に着かれました。神とご自分を信じる私たちに、神の義と救いを与え続けてくださっています。

 私たちは、苦難と災いの中でも神に信頼し従っていきましょう。義と救いの恵みを日々体験し、神との交わりを深めていきましょう。神の義と救いを、人々に、家族に、次世代に語り伝えていきましょう。