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「思い起こせ」 Ⅱテモテ1:1~8  飯田浩章兄

新約聖書にはパウロが書いた手紙が13通あります。このテモテへの手紙はその一つです。パウロはこの手紙を囚われの身となっていた獄中の中で書きました。そしてこの手紙の執筆直後に処刑されて行きます。テモテへの遺言状のような、まさに別離の手紙でもあったのです

この手紙の受け取人のテモテの人物像についてですが、彼は気の弱い人で、からだもあまり丈夫ではありませんでした。また恥ずかしがり屋で臆病なところも見受けられました。当時テモテはエペソの教会を牧会していたのですが、このエペソの教会にはいろいろな問題がありました。テモテは、神学的にも道徳的にも間違ってはいませんでしたが、その様々な問題に押しつぶされそうになっていました。それでパウロは、テモテが迫害のためにしり込みし、妥協することがないか、うちに燃えていたキリストに対する熱情が弱くなっていないかと心配したのです。

パウロはこの手紙を最後に死刑に処せられて行くのですが、パウロは人生の最後を迎えて、若い霊的わが子テモテにこの手紙を通して、気持ちを奮い立たせてほしいと願い、この手紙を書きました。それは、1.祈られていること、2.信仰が脈々と息づいていること、3.神様が与えてくださる賜物のこと、4.恵みの力によって強くなること、5.天の御国のことです。

信仰生活は順風満帆ではなく、色々なことが起こります。弱さを覚える私たちは、悩みもしますし、テモテのように臆病になったりもします。不安もあります。ですから、私たちもこの手紙を通して神の恵みを思い起こして、励まされてまいりましょう