詩篇23篇は「ダビデの賛歌」です。
【主】を賛美するダビデの思いが絵画のように見事に描写されています。
ダビデは神の選びによって、イスラエルの王になる前は羊飼いの少年でした。
ですから、羊と羊飼いの関係を誰よりも、よく知っていました。
羊飼いは新鮮な牧草と水を与えるために、緑の牧場と水際に羊の群れを導きます。
手には杖、腰には棍棒を身に着けて、羊を正しい道へと導くと共に野獣から命を守ります。
ダビデは①サウル王の裏切り②自身の姦淫と殺人(間接的)の罪③息子アブサロムの反逆と死など、多くの試練と苦難を経験しました。このような苦悩を通して、自分が羊であり羊飼いの導きがなければ、正しい道を歩むことができないことを痛感しました。
ダビデが罪を犯した時、【主】は「愛のむち・棍棒」で、打ちたたいて罪と悪を正し、「杖」で、ダビデが真っすぐに正しい道を歩むように「義の道」を指し示しました。
ダビデは罪を指摘されると、速やかに徹底的に悔い改めました。彼は神を愛し従う「羊飼いの少年ダビデ」の心と信仰を取り戻しました。彼は、羊飼いであった時、羊を導き守り世話をしたように、羊飼いである主がいつも傍にいて助けてくださることを思い返したのです。
ダビデは、主に信頼する者の人生が常に恵みであふれるばかりに満たされることを「私の杯はあふれます。」と表現しています。そして、羊が安全な囲いの中で守られるように、主に従う者はいつまでも「主の家」に住むことができます。
ダビデが「【主】は私の羊飼い」と賛美した【主】は、約束通りにダビデの家系から私たちのために救い主を与えてくださいました。イエス・キリストは私たちの【主】となり、真の羊飼いである大牧者として、私たちを養い、「義の道」へと導き続けてくださっています。
生涯、真の羊飼いから離れることなく従っていきましょう。